榊原の入れ歯ブログ

2014年12月15日 月曜日

入れ歯というもの その5

 今まで述べてきたことで、入れ歯というものの、概要は把握して頂けたでしょうか?
入れ歯はあくまでも道具でありますが、咀嚼時ばかりでなく、会話や顔貌の変化を
おぎなう仕事もしております。つまり、就寝時以外は年中無休でフルタイムの
ハードスケジュールをこなしております。しかも、その仕事の環境は劣悪です。
常にウェットな狭い口の中です。さらに、残っている歯の状態により形の制約もあるうえに
かみ合わせの力に耐え、あらゆる食材の粉砕をこなすという使命を負わされております。
これはもはや道具ではなく、人工の臓器の様なものであると、私は思っております。
 食は命の営みの基本です。咀嚼という顎の反復した運動は、大脳への血液循環を促し
ボケの防止につながります。歯が無くては、正確な発音も出来ませんね。
人間、ここ一番、力を入れる時は奥歯をかみしめます。奥歯を失ってしまっては、
日常の何気ない動作にも少なからず支障をきたします。
 身体に合った、機能性の良い入れ歯を使用することが、健康の維持の基本であることを
今一度、お考えください。

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2014年12月 9日 火曜日

入れ歯というもの その4

入れ歯の維持と固定の仕組みはご理解いただけたでしょうか?
簡単に粘膜への吸着とクラスプによってまかなわれるといっても、そうたやすいものではありません。
まず、歯茎の粘膜は厚さが一定ではありませんし、残っている歯茎の骨の形状(顎堤といいます)も
しっかりしている場合とそうでない場合と、まちまちです。従来の入れ歯の素材は硬いプラスチックが主ですから
粘膜の厚さや負荷のかかり方によっては、痛みが生じたりします。
クラスプについても、金属でできたバネの様なものですから、自由度や審美性に問題が残ります。
また、複数の歯に使用する場合は、入れ歯の着脱方向にそろえなければなりませんから、
その位置関係によっては、充分な固定が出来ない場合も発生します。
 以上の様な理由から、入れ歯は何度作り直しても、外れやすかったり、ガタついたり、硬い物を噛むと
痛かったりするわけです。しかも、保険治療で認められている材質には、制約があり
口の中の状態、つまり顎堤や残っている歯の状態によっては、残念ながら満足度をクリアできず、
入れ歯の限界を感じる時もあります。

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2014年12月 3日 水曜日

入れ歯というもの その3

入れ歯の固定方法で、残っている歯に維持をゆだねる場合には、一般的には
金属でできた装置を用います。これをクラスプといいます。クラスプは、既成の
特殊な針金を歯の形に曲げて作製するワイヤークラスプと、金属を鋳造して
作製するキャストクラスプがあります。どちらを使うはケースバイケースですが、
前歯にに維持を求めなくてはならないケースでは、どうしても金属が見えて
審美的には問題が残ります。また、クラスプをかける歯に過度の負担がかからない
様に力のかかる方向や、着脱が楽に出来るように設計します。
 実際に使用する患者さん自身が楽に着脱できて、しっかり維持のあるクラスプ
を作製するわけですから、常に矛盾との闘いになります。またクラスプには
常にかみ合わせたときの力がかかり、金属疲労もおこしますから、長く使っていると
破損もします。このクラスプの設計は歯医者の腕の見せ所でもありますかね...。

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2014年11月29日 土曜日

入れ歯というもの その2

入れ歯、つまり義歯というものはどのようにして固定されているのでしょうか?
欠損している歯の数が少ない場合は、維持と固定は残っている歯に求めます。
基本的に抜けている部分に一番近い歯が対象になります。欠損部分の両端に
歯が残っていれば、その両方に求めることが多いです。
もう少し欠損している歯が多い場合は、歯と歯茎の粘膜の両方に維持と固定を
求めます。その比率は、欠損部分の位置や、残っている歯の状態によって
かわります。総義歯の場合は歯が存在していませんから、すべて粘膜に
維持と固定を求めなくてはなりません。粘膜に唾液を介して吸着させている
わけですね。これも、歯茎の形状によって比較的楽に吸着させられる場合と
そうでない場合と、様々です。
 人間の顎は、上顎は頭の骨と一体化していて基本的に動きません。下顎は
こめかみ辺りにある顎の関節を介して咀嚼や会話の度に動きます。また舌という
やっかいな動きをするものもあるので、入れ歯を吸着させることが難しい症例も
多くなりがちです。

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2014年11月22日 土曜日

入れ歯というもの その1

 今回から、入れ歯についてお話いたします。
入れ歯は一本だけのものから、すべての歯におよぶ総入れ歯まで、
あらゆる歯の欠損に対応可能です。入れ歯のことを我々歯科医師は、
義歯またはデンチャーと呼びます。まったく歯の無い方の入れ歯は、
全部床義歯とか総義歯、ないしは、フルデンチャー(コンプリートデンチャー)
と呼んでいます。それ以外は部分床義歯、ないしは、パーシャルデンチャーと呼びます。
部分義歯ではなく部分床義歯。なんだか、少し変ですね。それは入れ歯を
数える単位として、床(しょう)というからなんです。ひとつ、ふたつ、ではなく
いっしょう、にしょうという数え方です。これからは義歯という呼び方をしますね。

 欠損部分の範囲や状態により、義歯は様々な形態になります。非常に
複雑な形態をとらざるを得ない場合も多々ありますが、着脱を使用者本人が
頻繁に行わなければなりませんから、出来る限りシンプルな設計を追求します。
また、義歯の安定と強度を得るために、邪魔にならない限り大きな形をとること
になります。次回から、もう少し掘り下げた義歯の説明を致しますね。


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